コリメート式分光撮影

望遠鏡にコリメート法で回折格子を付けた
カメラを付けてスペクトルを撮影してみる


望遠鏡に付けた状態
アイピースは40mm
カメラのズームレンズは80mm位置

接眼部に天頂ミラーを付け四角い部分へ
天頂ミラーは近くの光源を試し撮りする為で
星の撮影時は必要ありませんでした
黒く四角い部分にアイピースが入っています
カメラレンズのフィルター枠に回折格子が付いています
回折格子と四角い部分は繋がってはなく5mm程度の
空間があります


概略図(完成形)

アイピースは40mmが適していました
通常に覗いてアイピースでピントが合う位置に
セット(カメラ側でピント調節可なので大体で良い)
アイピースと回折格子の間は数mm程度の間隔
間隔を広げるとケラレます
回折格子はカメラのフィルターネジに取付


テスト撮影
約20m離れた所に車載用ネオンランプを付けて
望遠鏡でスペクトルを試し撮りしました

昼間なので見難いですが輝線がハッキリ写っています
(画面中央付近の緑色の縦線)
中々良い結果です
さて星ではどうなりますか


コンデジで撮影
カメラをコンデジに代えて撮ってみた



使用するカメラのレンズは80mmより小さい方が良いですね
80mmでは拡大し過ぎです



広角レンズで撮影

画角はこれくらいが丁度良い

以下
広角~標準ズームレンズで撮影


夜にテスト撮影
車載用ネオンランプのスペクトル

輝線も良く写っている
回折格子なので赤外の左側にも同じスペクトルが見えている


恒星をテスト撮影
フォーマルハウトという恒星です
ISO3200、露出30秒



吸収線も写っておりまあまあ
幅のあるスペクトルを得るのに赤道儀を2倍速で動かした
赤道儀を停止させてもOKですが
頻繁に赤道儀の電源を入切するのはどうかの思うので
この方法が良いようだ

右端は素通りしてきたフォーマルハウトの光
他の白い線も素通りしてきた星の光なのです
この光がスペクトルと重なると邪魔です


次は
波長を特定する為に同じ大きさで写さないといけない
ズームレンズだしカメラは他にも使用するので難しい



軽量化


穴を開けて軽くしました
アルミ製の黒いヤツは180g→160g
これはモーターのギアヘッドの物で
2インチホルダーとアイピースが付き
木板に取付ける為の物でもあります
木板は210g→185g
手間がかかる割には余り軽くなりませんでした

その他に不要な物を取り外し全体で
1670g→1440gまで軽くなりました



拡大撮影にもそのまま使えます



回折格子を外せばそのままコリメート法の
拡大撮影が出来ます
惑星や月の撮影に使えます

2012.11