《ヤキモチ★チョコ》
05年2月18日にメルマガで配信したものです。
うぅ…(涙)
バレンタインが過ぎて早四日。今だにチョコを渡せないでいるなんて…
せっかく、手作りチョコ作ったのに!!!
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そろりそろり…
夕焼け色に染まったたんぼ道を足早にゆきながら
みんなが楓ばぁちゃんの家にいる間に、骨食いの井戸に向かうかごめ。
「今日こそは、帰らないと!」
草むらを掻き分け、井戸に向けてラストスパートとばかりに走る─
───ガサッ
「…──かごめっ!!」
「ちょ…っ、キャッ;」
いつのまにか、目の前には目をギラギラとさせた犬夜叉がいた。
「もう…いいかげん帰らせてよ;」
「この前帰ったばかりじゃねぇか!」
ぎゃーぎゃーと喧嘩する中かごめはなかなか帰らせてくれないことにあせっていた。
ことの始まりは、テストと偽り実家に帰り、チョコを彼の為に作ったのだ…が、こともあろうか七宝におやつと間違われチョコを食べられてしまったのだ。
あわてて作りに実家に帰ろうとするが、犬夜叉が帰してくれない(涙)
“かといって、チョコを作りに帰りたいなんて…///”
しかし、もう四日もバレンタインを過ぎてしまった。
「なんで帰りてえんだよ」
「…っ///」
思わずことばにつまったかごめを見ながら、数日前の会話を思い出す。
たまたま、森にいたらかごめの匂いをかいで…近くにいくと、
『ねぇねぇ珊瑚ちゃんvVV明日は、好きな人にチョコをあげる日なのよvVV』
『…なっ///いきなり何言ってんだい///』『ふふvVV明日は弥勒サマにあげなくていいの?vVV』
『そ、それは…///』
それから二人(とくにかごめ)は楽しそうに話すと、
『それじゃ、明日は緊張ね///』
っとお互いを励ましだしたのだった。
──好きな人にチョコ。
思わず自分まで緊張してしまった犬夜叉
そして、バレンタイン当日。今かいまかとかごめのチョコを待つ犬夜叉は、なぜか正座していた。
だが───…チョコは無かった。
あまつには弥勒が自慢げに珊瑚からもらった“まんじゅう”をおいしそうに食べている。
中には、チョコが…!!!!!
かごめを問い詰めるわけにもいかずにいると、彼女がいきなり実家に帰りたいと言いだしたので
“…もしかして、あっちのおれの知らねえヤツにチョコを…!!!”
まさかと思いつつ、執拗に現代に帰りたがるかごめを引き止め続けて四日目。
「;…だ、だからぁ」
「だからなんだよ。」
じっ…と、犬夜叉はかごめのを見つめてくる。
なんだか、無償に悲しくなってきたかごめは、ぽろぽろと頬に涙がこぼれた。
「か、かごめ!?!?」
おろおろとたじろぐ彼が、にじんで見えてくる。
…犬夜叉のために
チョコ、作りたいのに
「っ…い、犬夜叉に…」
ヒックヒックと、しだいに本泣きをしだした。
「おれ…?」
「…っく、ヒック…」
おろおろと立ちつくしかないおれは、かごめの下を向く顔をのぞき見る。
「チ…チョコ、…あげたいだけなのに…ック…」
「──なっ!?///」
一気に、おれの体温が上昇したのがわかった。
…
かごめのことばのあと、何も言えなくなったおれと、ただ小さい声で泣く彼女。
だが、
「…ばか。」
「へ?」
彼女の目が、こっちをにらんでいる。
「…ま、まてかごめ!!!」
「犬夜叉…のばかばか、おすわりぃぃぃ!!!」
──グシャッ!!
「ぐはぁぁぁ!!」
「おすわりおすわりおすわりおすわりおすわりおすわりぃ!!!」
どんどん、地面にめり込む犬夜叉を尻目に、 「もう、犬夜叉なんか知らないっ」
と、井戸に飛び込んでしまった。
すでに居ないかごめに犬夜叉は
「………………か、かごめ…まち、やがれ…」
グキッ
小気味よい軽快な音とともに、腰に激痛が走った犬夜叉。
かごめのチョコは、まだ当分はおあずけのようだった(笑)
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バレンタイン…やっぱり乙女にとっては一大イベントvVV犬夜叉は…勘違いのうえ、ヤキモチやいて、自分のチョコが遠くなるなんて(笑)
でも、結局はラブラブな二人なんですvVV(^з^)/
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