《支え合い》


「かごめ〜っ!!!」
───ガラッ

いつもの通り、実家に帰っているかごめを迎えに窓を開けるとだれもいない。

「ん?“ついし”ってのは今日で終わりのはずじゃ…」

そう、かごめは夏休みに“追試”があって現代に帰っていたのだ。犬夜叉は一人で部屋を見渡すと…



「きゃーーーーっ!!!!」「かごめ!?」          
まさか敵…奈落かっ!!
あわてて一階の茶の間に行く。

ダダダダダΣガチャッ「どうした!?かごめっ!!!!!」        
そこには、座布団を抱えながら耳を手で押さえ、イヤイヤと首を振るかごめがいる。
暗い部屋の中で、あまりの怯えように、犬夜叉は立ちすくむが、慌ててかごめの顔を上げさせる。一瞬ビクッと体を震わせたかごめは…

「……い…ぬやしゃ…?」
目に涙をいっぱいに溜めながら犬夜叉を見つめる。
「…一体…なにがあったんだ。」
やさしくかごめを抱きながら問うた瞬間、  
「きゃっ」
犬夜叉の胸に顔を埋める。

不覚にも、顔を埋めるかごめにドキドキしてしまった。

(なななに、意識してんだっ!!///;)

っと、自己反省をしながらかごめの目線だった場所を見ると…

黒目をさらに強調するかのようなくま、さらには顔や体は生きている人間とは思えない白さの少年が、部屋の隅に座っている……



箱の中で。

「………あ?」

そう、かごめが言っていた“てれび”っていう箱の中。

だが、かごめの怯えようから、ただ事じゃないことはわかる犬夜叉は
「うっし、とりあいずこのガキをやっちまえばいいんだな。」
「えっ!?ちょ…犬夜叉!待っ…!!」

    Σガシャーンッ!! 鉄砕牙でてれびを真っ二つに切った犬夜叉。
「ふん、なんだてんで弱いじゃねえか。」

「犬夜叉」
「ん?なんだかごめ…」

そこには、さっきまでの怯えようが嘘のように、かごめが仁王立ちになっている。震えながら。

「なにやってんのよ!テレビ壊れたじゃない!!」
そう、ただかごめはビデオの「呪怨」を見ていただけだったのだ。

「なっ…か、かごめが怯えているからおれは…」
「おすわり。」
「ふぎゃっ!!」
「おすわりおすわりおすわりおすわりぃぃ!!!!」


その後、腰を痛めた犬夜叉は、日暮し神社で“てれび”分のバイトをすることになったとさ…





      おそまつ(爆)